【大紀元日本2月27日】
1.悪党の思想と思考回路、悪党組織特有の言語
4)中共に期待するという矛盾
(3)誰でも同じ
「国情」は、中共が口実のために愛用している言葉である。ほかの国には民主があっても中国にはあってはならず、ほかの国には言論の自由があっても中国にはあってはならず、ほかの国には信仰の自由があっても中国にはあってはならない。なぜならば国情が異なるからという理由である。
しかし、ほかの国に何か悪い点があったら中共は「国情」を言わず、代わりに「普遍的価値」を強調し始め、民衆に「天下の鴉は皆黒い」と告げて、民衆に中共の悪行を認め、理解し、赦すよう求める。
腐敗を言われたら、腐敗がない国があるのかといい、民衆の弾圧を言われたら、米国でも市民に発砲したことがあるといい、民主を言われたら、インドでも民主主義をやっているが、はかばかしい成果などないといい、国体の平和的転換を言われたら、ロシアが転換後に如何にまずい状況に陥ったかをいい、普通選挙を言われたら、台湾の選挙が如何に混乱しているかをいい、現下の中国が資源浪費が酷く貧富の差が激しいと言われたら、これが原始的資本蓄積の過程であり、どの先進国だってこの過程を経験したことがあるといい、言論の自由がないと言われたら、西側先進国のどのメディアだって財閥に制限されているといい、天安門広場で陳情する民衆を逮捕していると言われたら、大統領官邸の前で抗議したら絶対逮捕されると言い、中共の人権記録がよくないと言われたら、米軍の捕虜虐待事件(2004年イラク戦争当時)を捉えて打つ手を探り、米国自身がうまくできていないのに、中国に文句を言う資格があるのか、という堂々巡りの反論である。
これら是に似て非なる(似是而非※1)言論は、ときに厳粛な説教より迷惑なものだ。しかし、このように類比すること自体が誤りであり、民衆を騙し誤って導いている。
まず、人間は皆弱点を持っている。したがって、どの国にも汚職や腐敗、人権問題がある。我々は他の国のことについて弁護する気持ちはないが、指摘すべきは中共の「他人が殺人をしているので、私も殺人をしてもいい」という本末転倒な倒錯した思考方式だ。
次に、中共はこれらの類比した事例を報道宣伝するとき、しばしば事件発生の背景、経過と処理方法などについて、一部を取り出し自分の都合のよいようにし、意図的に中共にとって不利な情報を掩蔽しようとする。
皆も分っているように、問題が発生したことと、発生した問題に対してどのように反応し対処するかは一応別のことである。しかし、中共は意図的に問題の発生を際立たせ、民主国家の政府、メディア、民衆の反応や問題を処理する姿勢について回避しようとしている。
米軍の捕虜虐待が発覚した途端、中共は事件を大袈裟に取り上げ、米国の人権状況が裏ではさほど良くないのであるから、中共の人権状況が良くないなどと言えた柄かと言わんばかりだ。
しかし我々が米国政府と中共の処理する態度を対比して見れば、大きな違いがあることに気づく。実は、今回の事件が発覚した後、米国全土が大きな衝撃を受け、国内のメディアのみならず大統領まで事件への対応を迫られ直ちに調査に着手したのである。中共が引用した資料は、基本的に米国メディアが公開報道したものである。
これと対照的に、中共は自己の人権弾圧に対しては上から下までいちずに隠そうとし、他人による暴露も許さない。天安門広場における陳情者の連行、さらに「六四」虐殺に関しても、中共には言い訳があり、すなわち米国の大統領官邸の前で抗議したら絶対逮捕されるというものだ。
中共はここで一つ根本的な過ちを犯している。デモや抗議のための申請ができると中共は言うが、しかし絶対許可しないのみならず、申請者に対して打撃報復を加え、天安門広場で抗議するなどとんでもないことである。
しかし、米国では民衆が大統領官邸の前での抗議を申請しても容易に許可され、一部の抗議者はメディアに採りあげられようと故意に警察に逮捕され、米国の警察側も常に抗議者に逮捕されたいか否かを聞く。中共が宣伝したように、大統領官邸の前では抗議活動が許されず、中共と同じように抗議者が逮捕されるということとはまったく違うものだ。仮に抗議者に過激な行為があったとしても、あくまで法律の下で処理するのである。
米国も民衆に向けて発砲したという人がいる。確かにそうだ。1932年の米国で、第一次世界大戦後の退役軍人が恩給を求めてデモを行い、失業した退役軍人1万人が米国の国会議事堂本部前で集会を行った。当時のハーバート・フーヴァー大統領は政府軍をワシントンに進駐させデモを鎮圧、退役軍人2人が死亡し、多数が負傷した。
しかし、出版され一般公開された百科全書、ドキュメンタリー、歴史書、回顧録等の記述によれば、それらは軍によって殺害されたものではなく、ワシントン警察が誤射したものであることが判明している。
今回の事件そのものの是や非については別として、当時の米国の政府と民間の当該事件に対する反応を見てみたい。まず、米国政府はマスコミの厳しい批判を浴び、「ニューヨーク・タイムズ」は一面のトップ記事で事件の経緯を報道、ハーバート・フーヴァー大統領も米国国民に対して自身の責任を認めた。
その影響もあり、当時の大統領選挙でハーバート・フーヴァー氏は敗北した。政府軍を出動させた教訓の深さは、その後の米国大統領の前車の轍となった。
1971年に大統領官邸の前で大規模なベトナム戦争反対デモが起きたとき、ニクソン大統領は指示を請うた側近に「放っておけ」と指示した。
これとは対照的に今日に至っても、中共には「六・四」事件に関する自己反省が少しも看られないし、中国の立法機関も民衆弾圧から受けた教訓を如何に法に反映させるかも提出しなかったし、将来には同じような過ちを犯さないような方策も提案していない。
もう一つかなり流行した、西側の言論の自由を風刺する例がある。いわば、文章を書いて新聞社へ投稿し、もし掲載されなかったら言論の自由は偽物だというものだ。この一つの例で、少なくない中国人がまるで西側の言論の自由が虚偽であると見破したかのように思いこみ、同時に中共による言論統制は当たり前だと思っているのである。
実はこれは中共による屁理屈である。新聞がどのような投稿も掲載するはずがない。仮にもしそうであっても、紙面に限りがあり、順番待ちになるであろうが。
どのメディアにおいても自身の理念があり、それらには当然その背後に政治的経済的な勢力がある。言いかえれば、メディアの個体そのものは、職業道徳を除けば、それ自身に好みがあり、原稿と報道の角度は自身で選択しているが、それは何らかの秘密を隠ぺいしようとしているわけではない。
言論の自由には、側面が二つある。一つは、メディア自身が発表したいことを自由に報道できること(常軌を逸したものは法的な手段で解決)。第二には、読者がどのようなスタンスのメディアも目にすることができることだ。即ち、反共の新聞を見ることもできるし、親共の新聞を見ることもできるし、また中共の官報も見ることができ、さらに自分でメディアを立ち上げて自由に意見を発表することもできる。これこそ報道の自由の真髄だ。
新聞の自由を測る最も重要な尺度は、権力者がどれほどの権力を持って情報を制限しているかということである。米国では、政府は常にメディアの批判の対象となり、仮に政府が権力をもって制止しようと思っても手に負えないところがある。
しかし、中国においては共産党がメディアを掌握し、知られたくない情報があれば、すぐ封じ込める。どのようなメディアもどのような投稿もとりあげるのが言論の自由であるとするのは、根本的に非現実的である。
西側のメディアにスタンスがあることを挙げて言論の自由を否定するのは、ただ中共が中国のメデイアを統制したいための口実なだけである。実のところ、中共は西側の言論の自由の妙味がよく分っている。それ故に、中共は極力親共メディアを海外で浸透させ、操り、大いにもり立てようとしている。
海外の民主的選挙で見られる争いごとの事由は、中共が民衆の自由を嘲笑う材料としてよく使われるし、人民に中共の独裁を擁護させるための素材として説明される。このように、多くの人は中共の言い分を信じるようになり、中共による一党独裁の維持に手助けをしてしまう。
民主が最もよい方法ではないにせよ、中共のブラックボックス闘争とそれによってもたらす動乱に比べたら、民主がもたらす透明性、メディアによる監督作用と軍隊の独立性は、畢竟参考にすべき道である。
皆がすでに気が付いたところであるが、民主国家の選挙争いが如何に酷くても、国全体が動乱や戦争の状況に陥ることはない。これは民主主義が社会に及ぼす平衡作用であり、根本的にそれ自身は中共が宣伝しているような洪水猛獣ではないのである。
(※1)似是而非…事物を指して、本当のようで偽物であり、正確のようで誤っていること。
(続く)
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